怠惰撲滅ブログ

怠惰な筆者が勤勉になるまで

最近初めてナンパしたので、その時の事を書く。

 

 

先日、初めてナンパ?というものをした。

 

大学から帰る際の電車、駅での出来事である。

 

俺はその日の研究を終え、普通に電車に乗り、スマホをいじっていた。

 

隣の車両から移ってきたのだろうか。

電車の移動中に、対面側の座席に一人の女性が座った。

 

最初は、無意識ながら

 

(女性らしき人が対面の座席に座った)

 

と思った。

 

こちらからはよく見えないが、何やら顔が上下していることは分かった。

 

俺はスマホをいじるのを一旦やめて、顔を上げ、外の景色を見つつ女性をチラ見した。

 

 

結果、女性はちょくちょく顔をあげているようだった。

 

(何でそんなに顔をあげているんだ・・・?)

 

と思った。

 

普通、スマホから視線を外してわざわざ顔を上げるのは、何か気になるものが目の前にある時だけだ。

 

そして対面にいるのは俺だけ。

 

もしや、俺何かゴミでも引っ付いているのか?

 

何か変なところがあるのか?

 

もしや俺の顔がタイプなんじゃないか・・・?

 

完全に自惚れていた。

あまり人に話すことはないが、結構自分はナルシストだと思う。

普段はそんな素振りを見せないようにしているつもりだけども。

 

それはさておき、何だか俺の顔を見ているような気がするようなしないような・・・。

 

ここで完全に自惚れバイアスにかかってしまった俺は、

 

「ぜってー俺のこと気になっているだろ」

 

と思っていた。

(今思えば、顔から火が出るような勘違いだ。死んでしまいたい。)

 

 

しかし俺は、会話していない女の子を見つめることができない。

目が合った時の気まずさを恐れているからだ。

 

だから、女の子がこちらを見ていない、という確信が持てないと女の子の顔を見ることができない。

 

そこで、女の子の視線が下がっている気配を感じてから、ガン見してみた。

 

目が合わなくてほっとした。

 

それと同時に驚く。

普通に可愛い。

 

(うわ、かわいいやんけ)

(え、こんな子が俺のこと見るか?)

(これは俺の勘違いくさいなぁ)

(でも勘違いじゃなかったら・・・?)

これは声掛けするべきやろ

 

その瞬間、心がナンパしたいと叫んだ。

 

ナンパ経験なんて生まれてこのかた一度もないのに。

 

が、町を徘徊して地蔵し一声かけもできずに帰宅したことや、ツイッターでナンパ師界隈のツイートを見て気持ちだけ高ぶっていた自分、セックスしたい気持ち、その他諸々の気持ちを思い出し、今までにない高揚感を感じた。

 

しかし同時に

(どんな声掛けをしよう・・・)

(どのタイミングで?)

(話す前は目も合わせられないのに、どうやって声をかける・・・?)

という、悩みが生まれる。

 

ナンパしたことない男が、電車で他の人の視線がある中でどうやって立ち回ればいいのか・・・

まるで思いつかない。

 

そんなことを考えている内に、俺の駅に到着。

 

(あ、着いちゃった・・・)

(女の子は降りるのか・・・?)

 

声掛けの方法も決まらないまま、関心は

「女の子が降車するかどうか」

に移っていた。

 

内心かなりドキドキであった。

 

降りなかったらそれを言い訳にして、何もせず帰ろうという気持ち。

降りたなら何でもいいから声をかけようという気持ち。

 

 

どっちだ・・・

 

どっちなんだ・・・!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうやら降りるようだ!!!

 

ナイス偶然。

 

席を立ちあがり、電車の扉の前まで歩く。

 

降りるとき、女の子は2番目のドア、俺は1番目のドアへと歩き出した。

本来ならここで一度、背が向き合うはずだった。

が、俺は車掌室のガラスの反射越しに、わざわざ女の子が俺の方を向いたのを確認できた。

 

(うん、今間違いなくこっちを見たな)

(俺はこの子の何かしらの意識には引っかかっているに違いない)

 

少なくとも声掛けして

「は、おめー誰だよ」

状態にはならないだろう。

 

ドキドキが最高潮を迎える。

 

電車を降りる。

 

少し雨が降っているようだ。

緊張で、やや大げさに手を伸ばして雨の量を調べてしまう。

 

そして歩く。

 

電車を降りてすぐの改札を出る。

 

流れで駐輪場までゆっくり歩く。

 

 

しかしここで痛恨のミスをする

 

女の子が後ろにいるのは分かるが、緊張して振り返ることが出来ない。

 

そのまま惰性で駐輪場まで歩いてしまう。

 

(緊張して振りかえれない・・・!)

 

駐輪場まで歩くと、ようやく後ろの気配がなくなったので、振り返ることができた。

 

振り返ると女の子は駅で雨宿りをしているようだった。

 

(あぶねぇ・・・)

(もしいなくなっていたら、後悔していたわ)

 

ホッと一息つくのも束の間、駐輪場まで来てしまった手前、急に引き返して声をかけるのは変じゃないか?

という謎の自分ストッパーが働く。

 

駅から駐輪場までおよそ50メートル。

 

どう引き返して声をかけるか考える間もなく、

 

体が勝手に帰宅する準備を始めた。

 

(引き返せよ俺)

 

自転車にキーを差し込む。

 

(ここで勇気出さないと、絶対後悔するぞ)

 

自転車にまたがる。

 

(絶好のチャンスだろ)

 

自転車を漕ぎ出す。

 

俺の身体は心の声にびくともせず、そのまま駅の前を通り過ぎて、自宅の方へ自転車を漕ぎ出していた。

駅で雨宿りしている女の子を横目に。

 

(あーあ、俺はいつもこうだ。怠惰過ぎる・・・。)

完全に敗北ムードだった。

 

しかし、駅から距離が離れれば離れるほど、引き返して声を掛けたい気持ちが強く

なった。

 

1分ぐらい漕ぎ出してからさらに葛藤する。

 

(お前家に着いたら今日のこと絶対後悔するだろうな)

(少なくとも俺のことを見てくれていた可能性が高い女の子、と自分が思っている子にすら声がかけられないなら、一生ナンパなんてできないんじゃないのか?)

(まだ引き返せば、声かけられるんちゃう?)

(まだ間に合う)

 

 

今の子は絶対行くべきだろ・・・っ!!

 

そんな言葉が口からもれた時、ようやく身体のコントロールを取り戻した。

 

全力で駅の方に引き返した。

 

まるで、遠くに引っ越してしまう彼女に、最期に言い残したことを伝えに行くの男ような気持ちだった。

 

知らない女の子相手にこんな想像を働かせてしまうのだから、キモイにも程がある。

 

今書いている俺自身、気持ち悪さで一杯だ。

 

 

 

割とすぐ引き返したから、すぐに駅に着いた。

駅の脇に自転車を止める。

 

良かった!

女の子はまだ雨宿りをしている・・!

 

女の子の方へ歩き出す。

 

女の子が

「あっ」

というような顔をする。

 

目が合う。

 

そしてついに俺は言い放った。

 

 

 

 

俺「さっき、なんだか視線を感じた気がしたんですが気のせいですか?」

 

それを聞いた瞬間、女の子は少しニヤニヤしながら2秒間ほど黙った。

 

(この反応は・・・!もしや・・・!)

俺は一瞬で、勝ちを確信した。

この反応は照れている!

間違いない!!

 

 

 

間違いだった。

 

淡い期待は一瞬で砕け散った。

 

帰ってきた言葉は、今思えばあまりにも当たり前の返事だった。

 

女の子「えぇと、見てないです」

 

この時俺は、かつてないほどの恥ずかしさのあまり、顔から火が出るんじゃないかと思った。

ニヤニヤしているというよりは、困った笑いが出ているみたいだった。

 

 

 

「あ、そぅすか・・・」

 

 

 

あまりに恥ずかしかったから、声にならない声を出し、俯きながら自転車の方まで引き返した。

 

 

がしかし、まだチャンスはある筈だ!!

 

(そうだ、照れ隠しの可能性だってある!)

(俺は試されているのかもしれない!!)

(少なくとも、女の子は俺を認識していた!!

 

こんな時でも俺は異様なほどポジティブだった。

 

一度は顔面から火が出るような恥ずかしい想いをしたから、おそらく次が最後だろう。

ここで撃沈したら、もう帰るしかない。

 

走ってもう一度女の子の前に姿をあらわす。

 

女の子は驚いた表情を見せる。

 

俺は最期の力を振り絞って言い放つ。

 

俺「LINE、交換しませんか!」

 

女の子「え、いいです」

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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なっす 怠惰撲滅マン on Twitter: "駅にて、やたら視線を送ってくる女の子がいた気がして

俺「何か視線を感じた気がしたんですけど気のせいですか?」
女性「え、見てないです」
俺「ライン交換しませんか?」
女性「え、いいです」

恥ずかしすぎて死にたい。
でも初めて声かけたわ。
変な声かけしてマジで申し訳なかっけど。… https://t.co/KZuFVisxo1"

 

 

 

 

初めてのナンパは人生でトップを争う程、恥ずかしい思い出になった。

 

自分が自意識過剰であること、知らない女の子を前にするとガチガチになること、思っている以上に会話を広げるのが難しいこと、が知れるいい機会にもなった。

 

正直最後に断られ、ゾンビのような足取りで自転車に戻り、ゆらゆら自転車で揺れて帰っているときは

「声かけなきゃよかった・・・。」

と後悔の気持ちで一杯になったが、今思えば自分の殻を破ったとても重要な瞬間だったなぁと思う。

 

俺はナンパ師になりたい訳ではないが、女の子と気負いすることなく会話できるようになりたいし、エッチだってしたい。

 

だから、そのためにはメンタルを鍛えないといけない。

このままではきっと、キモイ一人の男で終わってしまう。

 

それだけは絶対に嫌だ。

 

かっこよい大人になるために、怠惰とキモさを撲滅していこうと思う。

 

女の子から視線を感じている時というのは、自意識過剰になっている可能性がある。

 

目線が合っている確信が持てないうちは、視線のことは話さない方がいいだろう。

 

 

終わり

(所用時間210分)